交通事故

交通事故の損害賠償金額について

被害者が損害賠償を請求する方法 3つご紹介させて頂きます

交通事故によって生じた人身損害につき、被害者が損害賠償を請求する方法としては、大きく分けて次の3つの方法があります。
【1】交通事故により人身損害を受けた人が、交渉によって損害賠償請求を行う
【2】交通事故により人身損害を受けた人が自賠責保険の被害者請求を行う
【3】交通事故により人身損害を受けた人が裁判所の判決によって損害賠償を請求する

支払い基準

【1】では自賠責基準によって計算した金額が支払われます。
【2】では、加害者が任意保険に入っていた場合は、保険会社の任意保険基準によって計算した金額が支払われます。
また、【1】を【2】では自賠責基準によって計算した金額が支払われます。
【3】では、裁判基準によって計算された金額が支払われます。

支払いの詳細例・・・
【3】は、裁判の判決によって金額が決められるもので、【1】の任意保険基準は、判決によらずに交渉によって保険会社が任意保険によって支払うもので、大まかに言って裁判基準の43%~88%程度です。ですから、裁判基準の60%程度の金額しか提示されないといったことも日常的に行われており、保険会社の提示では600万円程度だったものが裁判を起こしたところ判決では1000万円になったといったような事態も起こり得ます。

【2】保険会社と【3】裁判所の大きな違い

【3】では、交通事故にあった日からは年5%の割合の遅延損害金が裁判基準では認められますが、【2】の任意保険基準では、これは認められません。
ですから、仮に慰謝料、休業損害、後遺障害逸失利益等で2000万円の損害があるとすると、事故から4年経って支払ってもらう場合は、【3】の裁判基準だと遅延損害金だけで2000万円×4年×0.05=400万円も【2】より多く払ってもらえることになります。
昨今の低金利時代に年5%もの遅延損害金が付くのはおかしいと争われたこともありましたが、最高裁は遅延損害金利率5%との判断を維持し続けています。
さらに裁判基準の被害者に有利な点として、被害者が弁護士に裁判を依頼した場合は、弁護士費用も被害額に加算されて支払ってもらえるという点が挙げられます。この弁護士費用にも裁判基準だと事故日から年5%の割合に遅延損害金が付されます。

ただ、いつも【3】の裁判基準が有利とは限りません。
過失割合において被害者の過失割合が高い事案だと、【2】のほうが有利な場合があります。
【1】の場合は、被害者の過失割合が7割までであれば、自賠責基準の金額が満額支払ってもらえるのに対し、【3】だと過失相殺が適用される結果、例えば被害者の過失割合が7割の場合、損害額の3割の支払いしか受けられなくなるからです。ですから、自賠責基準の金額が裁判基準の金額の半分以下であっても、【1】の方法による方が有利な場合も生じ得ます。

交通事故の事例や問題

交通事故の人身損害で後遺障害の等級が問題となるケースの一例

交通事故の人身損害では、後遺障害の等級が問題となることが多く、認定された等級に被害者が不満を抱えている事例がよく見られます。
例えば、被害者が、鞭打ちとなり、被害者本人は深刻な苦痛を自覚しているのに、後遺障害診断書等に他覚所見が記載されていないケースでは等級最下級の14級となってしまいます。
そこで、記載されるべき他覚所見が後遺障害診断書に記載されていないということになっていないか調査する必要が生じ、主治医に照会したり、果ては医大系の病院で再診を求めたりすることになったりします。
しかし、医師は患者の治療には一生懸命でも、後遺障害の等級認定に関してはそうでもなく、本来認定されるべき後遺障害等級が認定されないような後遺障害診断書が作成されることもあります。
特に、主治医が先行して後遺障害診断書を作成しているような場合は、別の医師に再診をもとめると嫌がられますので、
それまでの主治医に対する照会に力を入れることになります。

後遺障害等級認定は悩ましい

他覚所見として脊柱管狭窄が記載されている場合は、脊柱管狭窄によって神経根が圧迫されているというところまで記載がないと、12級は認められませんので、主治医に神経根圧迫があるかどうか確認してもらい、あるようだとその旨の診断書を作成してもらって異議の申し立てを行うことになります。
また、医師が等級認定に熱心でないことを痛感した事案として、高齢の女性が後遺障害等級13級で保険会社から100万円台後半の金額提示を受けていたところ、この女性が市に対し身体障害者手帳の交付を申請するため市に提出した後遺障害者診断書・意見書に1下肢を3センチメートル以上短縮した旨の記載があったため、この診断書を添付して異議申し立てをしたところ10級が認定され自賠責基準のみで461万円となったこともありました。
この女性は相当高齢であり、裁判基準の金額を支払ってもらうためには裁判に時間がかかるので、老い先を考えると早く支払いを受けたいということで、600万円弱の支払いを受けて終わりました。
老い先を考えると理解してやらねばならない選択と思いました。
また、後遺障害の等級を認定するのは損害保険料率算出機構(以前は、自算会事務所と呼ばれていた。)ですが、その人件費は損保協会が出していると言われており、保険会社が主導権を握っているので、被害者にとって気の許せるところではないという話も聞きます。

上位の等級になるか下位の等級になるかによって金額が大きく変わってくるので、認定された等級に不満を抱く被害者は多いのが実情です。被害者としては事故にあった後、どの医師にかかるかをも慎重に検討しなければなりません。後遺障害診断書が、不十分だと、その後、本来受けるべき等級認定を求めて大変な苦労をすることとなります。

加害者が無保険で無資力の場合

交通事故にあった場合、加害者が無保険で無資力の場合、損害賠償金の出所がなく損害賠償を支払ってもらえないので泣くことになります。
自賠責保険の対象とならない「ひき逃げ事故」や「無保険事故」にあわれた被害者に対しては、最終的な救済措置として、法定限度額の範囲内で政府(国土交通省)が自賠責保険の支払い基準に準じて支払う政府保障事業によるてん補金の支払い制度があります。
また、被害者が入っている人身傷害保険があれば、被害者が入っているその保険から損害のてん補を受けることが出来る場合があります。

任意保険には加入していなかったが自賠責保険に入っていた原動機付自転車に
衝突し歩行者が死亡した事案

任意保険には加入していなかったが自賠責保険に入っていた原動機付自転車に衝突し歩行者が死亡した事案で、歩行者の遺族が500万円を加害者に請求し、加害者が親族から援助してもらって500万円を払い、その後に遺族が自賠責保険の被害者請求で2200万円の支払いを受けた事案があります。

聞いたところ、遺族の言われるには、自賠責保険の被害者請求では2,200万円しか払ってもらえないので先に500万円の支払いを加害者から受けたとのことでした。
確かに、自賠責保険の支払いについて定めた自動車損害賠償補償法16条の3第1項では、「保険会社は保険金を支払うときは、死亡、後遺障害及び傷害の別に国土交通大臣及び内閣総理大臣が定める支払基準(以下、「支払基準という。」)に従ってこれを支払わなければならない。」と定められていて、保険会社に被害者請求があった場合は、この支払基準によって支払いが行われています。
この条文を一読すると、この支払基準に従わない支払いはできないかのようにも感じられます。
しかし、最高裁判所第1小法廷平成18年3月30日判決では、判り易く言うと、裁判所は自動車損害賠償補償法16条の3第1項に拘束されず、裁判基準によって判決を下すことが出来ると判示しております。ですから死亡事故の場合は自賠責限度額の3000万円までなら、遺族は保険会社を相手に裁判を起こすことよって裁判基準によって保険会社から支払いを受けられます。先ほどの遺族の場合は、まず、保険会社と加害者を相手に裁判を起こし、3000万円までは保険会社から支払いを受け、それでも足らない部分は加害者から支払いを受ければ良かったことになります。
それが500万円を先に加害者から支払わせたものですから、裁判基準での判決金額が3500万円以下の場合でも、果たして全額の支払いを受けられるか、という問題が発生してしまったことになります。
加害者としては、500万円を返してもらって、その分を保険会社から遺族に払ってもらえないかという問題が生じます。
せっかく払った自賠責の掛け金ですから、限度いっぱいまで自賠責保険から支払いを受けることをまず優先すべきです。この遺族には、自賠責保険会社に裁判で裁判基準による請求が出来ると説明しても、なかなか信じてもらえませんでした。

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